Englishman In New York I don't drink coffee I take tea my dea コーヒーは飲まない 紅茶が好きだから See me walking down Fifth Avenue 5番街を歩いていただろ If "manners maketh man" as someone said ことわざのように、マナーは人を作るのなら Modesty, propriety can lead to notoriety 慎みとたしなみが悪評をつれてくる Takes more than combat gear to make a man 男になるにはもっと武器を身につけること I'm an alien 僕は異邦人 Be yourself no matter what they say 自分自身であれ 誰の言うことも聞かないで |
■「Englishman In New York」は1987年に発売されたイギリス人ミュージシャンStingの2枚目のアルバム「Nothing like the Sun」に収録されています。またこの曲はシングルカットされ全米チャート4位を記録。現在に至るまでStingのコンサートにおける重要なレパートリーとなっています。もちろんアメリカツアーでも演奏され、アメリカ人も大喜びで聴いている映像がビデオで確認できます。いやイギリス人がアメリカまで来ているのかもしれませんが。 ■Stingはロック・バンド「The Police」で77年にデビューし、84年の解散までにヒット曲を多数、制作。娼婦を歌った「Roxanne」では放送中止処分を受けるなど、当時から歌詞の文学性、政治性が注目されていました。「The Police」解散後は、バンドで大成したミュージシャンはバンドの売り上げを超えられない、とのジンクスを打ち破るような活躍を見せ、人気、評価ともに現在のソロミュージシャンのなかでも目を引く存在となっています。最近では俳優としての活動も評価されています。 ■楽曲はシンセ・ストリングスの打ち込みによる8ビートのレゲエがベースを作り、その正確なプログラミングの上でジャズミュージシャンが自由に装飾的な音を並べるといった形式を取っています。そしてジャズミュージシャンは16ビートで演奏していて、両者のビート感覚のずれが、基本メロディにおける独特の浮遊感のあるグルーヴを生み出しています。 ■またクラシック調になる箇所「Modesty, propriety〜」からはじまるヴァースでは演奏者が打ち込みのビートに完全にあわせることによって浮遊感よりも安定感を感じさせるグルーヴへと変化させ、曲に推進力を与えています。またクラシック調の雰囲気はそれまで裏拍にあったアクセントを一拍目に移動させることで作っています。 ■そしてジャズ調の間奏、ロックビートのドラムソロを経て、レゲエのビートに戻るリズム構成は、常に冷静に、時にオーボエを連想させる音色のソプラノサックスによって導かれています。サックス奏者は90年代のジャズ界をリードした黒人のトランペット奏者、ウィントン・マルサリスの弟のブランフォード・マルサリスです。彼は兄よりも才能があると誰もに認められながらも、ジャズに決定的な演奏を残していないことから、評価の難しい人物ですが、そんないつでも本気を出さない男(しかも黒人)が詩においても、楽曲においても、定まらない異邦人をテーマにした音楽を冷静にリードし、それをアメリカの白人が喜んで、楽しそうに聞いているという状況は、とても奇妙なもののようにも思うのです。(6/24/レビュー) |