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pale blue dot 2 「ハロ−、ハロ−、こちら黒のリヴァイアス、応答願います。ハロ−…」 その部屋では大げさな通信機に向かって数人が声を張り上げていた。ゲドゥルトフェノメ−ン以降宇宙での通信は大幅に制限されていたが、それでも十分な電波の出力と収束率、更に方向性があればかろうじて通信は可能だ。結局のところ原始的だろうと何だろうと宇宙にその存在を示すには電波に頼るほか無い。技術課や整備課、看護課に比べやることの少ない操船課の物好きがはじめた、それはささやかな抵抗だった。無駄な事、と言い放つ連中も多かったが実際呼びかけがはじまると、邪魔をする事は無かったしメンバ−のポイントを助けてくれさえした。…呼びかけを開始して数日たつがいまだどのような応答も無い。 暇を持て余した彼は電子ライブラリをあさっていた。彼も操船課だから呼びかけを手伝うこともあるがいまは暇だった。「宇宙空間における事故の対処法とその事例」こんなタイトルを見つけると汎用メモリ−チップに落としこむ。…1957年に本格的にはじまった太陽系探査時代。どれだけ多くの事故が次の言葉で伝えられたことだろう。「ハロ−、ヒュ−ストン。こちらで問題が起こった」センタ−の管理官は自分が担当の時間に一番聞きたくない言葉にこれを挙げた。そのぺ−ジを開いたままぼんやりしていると音声の読みこみがはじまる。ひどいノイズに混じってとぎれとぎれの肉声がデバイスカ−ドから響く。 「…ハ…ロ−…問題…ロ−、ヒュ−ストン…起こった…ハロ−、ハロ−…」 200年も昔の宇宙事故を知らせる肉声は必要以上になまなましく、それ以上聞いていられなくなった彼は文書ごとデ−タを消去した。その日、一日彼は塞ぎこんでいた。呼びかけを手伝うのを止めたのはそれからだった。 既に危機感も意欲も失せた作業を淡々とこなしていく。こんな危機的状況にあるなかにも日常は忍び込んでくる。そしてこの毎日が明日も明後日も続くような気がしてくる。船内のネットワ−クに奇妙なデ−タが混じりはじめたのはそんな時期だった。注意深く分割、圧縮され船内制御ソリッドに忍び込ませているが、特定のソリッドに通じた人間ならそれとすぐわかるデ−タだ。電子透かし技術を巧妙に利用した署名には「コイル・タージェント」とある。それは単純なソリッドパタ−ンを利用した電子ゲ−ムだった。「こんな状況でゲ−ムかよ…」なかば呆れた人間が殆どだろうがネットワ−ク、有線リンクを問わず船内に広まっているようだ。デ−タの更新が行われる頃には船内の空気が少しだけゆるむ気すらする。興味を覚えた彼がソ−スを解析すると幾重にも隠された製作者デ−タがあった。そこには、 「両親へ、そして友人のナタリ−・シ−ン、メイヤ・フォスターに捧ぐ」 とだけあった。翌日、彼はまた呼びかけを手伝いはじめた。決して応答は帰ってこなかったが根気よくリ−ベデルタの事故とリヴァイアスの状況を繰り返した。 「ハロ−、ハロ−、こちら黒のリヴァイアス、応答願います。ハロ−…」 宇宙線や放射線、ゲドゥルトのプラズマや吹き荒れる太陽風を超えて呼びかけは続く。戻らない応答を求めて、自分たちがここにいることを叫びつづけるために。 「ハロ−、ハロ−、こちら黒のリヴァイアス、応答願います。ハロ−…」 相変わらず「名無し」君です。いっそこのままでもいいかな−。 コイルさん、電子署名で登場させてしまいました。どもども。^^; スピンネットさんも出してしまうかもしれませんが…一時航海のシリアス物をやりたいといつぞや書いていたから出さないほうが無難かな? -------------------------------------------------------------------------------- 高原ユウ > うん。やっぱりいい感じです。名前は、無くてもいいかなと思います。ところで、一次航海の時点だと、「黒のリヴァイアス」という正式名称は知られてなかったような……どうでしたっけ? (2000/06/18(Sun) 01:07:32) トリノ > は〜なんか独特のしっかりした雰囲気が有って良いですね〜、科学的な設定もしっかりしてる(様な気もする)し…。(学がないので上手くいえない/汗) (2000/06/18(Sun) 01:15:18) すぴんねっと > いやもう、登場させてくださるのなら嬉しい限りです〜♪ まあ大丈夫ですよ、後からいくらでも辻褄合わせられますし。そもそもいつ書けるかわかんないし(爆) (2000/06/18(Sun) 01:26:57) グウ > アッテンホローというキャラがわたしの作品に登場予定なんですが(爆 (2000/06/18(Sun) 04:11:24) ワイルドキャット > うちのリンクス君のシリーズは二次航海の時にリライトしたもの、つまり事実とは微妙に違うと言う設定で書いてたりするんですが、いざと言いうときはそういうことにすると言うのは(笑) (2000/06/18(Sun) 04:25:00) coil > 何とも渋い形で登場させていただいてありがとうございます。ほんのちょっとした事でも、はげみになる事っていうのはあるもんですよね。文章の雰囲気が結構好きです。 (2000/06/18(Sun) 08:49:33) ほろほろ > 高原さん>じゃ、「名無し」君でいいですね。下の「彼」とこの「彼」がいっしょじゃなくてもいいわけですし。いっそリヴァの名無しアンソロジ−にでも。 鳥乃さん>手元に惑星探査の文庫本がありますから。(笑) すぴんねっとさん>私も書くかどうかわからないですけどね。^^; グウさん>好きな言葉は「それがどうした」で信条は「伊達と酔狂」ですか? ワイルドキャットさん>困ったときはその設定を使わせてもらいます。 coilさん>そう、ちょっとのことで良いんですよね。 みなさんレスどうも。 (2000/06/18(Sun) 23:41:16) |