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pale blue dot9

 そうしてボクはすさんだリヴァイアスに天使を見る。幽霊だとかお化けだとか噂があるけれど、ボクにとって彼女は確かに天使に見えたんだ。不思議な光沢を帯びた紫色の影がハッチをすり抜けていく。

「あっ…」

 何を言おうとしたのだろう?でも表情のないメタルパープルの輝きがせまって、その不思議な瞳に我を忘れた。




 ちょっと我慢すると彼女はほっと息をつき、ボクの胸がつまる。少しの嘘で思いやると彼女は瞳を和ませ、ボクは目をそらす。ちょっとずつ、ちょっとずつ、互いに緊張を重ねてやってきた、ここは何処なのかなぁ。

「なにか言ってよ、言いなさいよ!」

 誰もいない非常階段の踊り場でいつものように待ち合わせた。もう二度とこの時がこないとでもいうように彼女はボクに確かめさせる。そしてふいに不機嫌をあらわに怒り出す彼女はいつもよりずっと大人に見えて、ボクはそれが怖くなって何度も嘘をつく。彼女の現実が嘘で覆い尽くされるまで、何度も。何度も。

 嘘が油断を誘う。ボクの嘘、嘘、嘘。それじゃ、彼女の嘘はなんだ?彼女が手を隠している。強引にその手をつかんでねじ伏せ、傷だらけの肩、ジャケットごしにもわかる華奢な腕、手首、手、指…そしていつになく整えられた爪。

 彼女の嘘は、彼女にいたのがボク一人ではなかったこと。ボク達は、二人ではなくて、三人だったこと。もう一人の誰かをも嘘に加わらせていたこと。思いやる嘘が、つながり、からみ、惑う。




 ふっと目を凝らすとそこにメタルパープルの天使はいなかった。そのかわりボクの涙が冷たい床で非常灯を受けて一瞬、輝く。見ようによっては紫にも見えた。誰とも知らないもう一人のボク「達」を思い浮かべて不思議なほど平静で、そのまま床に眠った。




 そのままボクのリヴァイアスは終ることになる。知り合いは最後の最後まで酷い目にあったようだが、完全にリヴァイアスが制圧された後に発見されたボクの事を、あたかもそうすることでこれまでと、これからを穏便にすませようとでもするかのように特殊工作服を着た軍人は丁寧に扱った。

「どなたかに伝言でもお伝えしましょうか?」

 病院船に移されてから看護婦にそう聞かれた。ボクは反射的に彼女についてたずねようとして、やめ、答えた。

「いえ、何もしなくても、ボク達はつながっていますから」

 看護婦はとまどった顔を見せたが、それ以上勧めようともせずに部屋から出ていった。知らない間に関係を持っていたもう一人のボク「達」。皮肉のつもりだったけれど本心でもあった。








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次回最終話、のつもり。
にしても…盛りあがりも何もなく終っちゃいますね。^^;



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鳥乃 > 誑かすのが〜愛なのよ〜♪女のロマンよ〜♪…とは少し違う、幸せな嘘に浸かって居たかった少年少女?(壊) (2001/07/14(Sat) 18:16:06)
ぐちゃ > さて、相手はどう思っているやら(爆) (2001/07/22(Sun) 00:45:54)
すぴんねっと > んー、冷たいなぁ…いや、内容がじゃなくて、こう、どことなく文章にひんやりとした空気が。<暑いせいすか?(笑) (2001/07/22(Sun) 02:03:03)
神麻 薫(神麻組組長&チーム着ぐるみ・19) > 誑かす・・・・なんとなく憧れは感じますな(笑) (2001/07/22(Sun) 11:43:51)
ほろほろ > 鳥之さん>何かつらいことでも?わたしでよければ…(爆 ぐちゃさん>この際相手のことなんて知ったこっちゃないんです。(笑 すぴんねっとさん>んー、微妙なところをつきますねぇ…色々ツライことが多いんで…。^^;←オマエがかい 神麻さん>たぶらかしてください、待ってます。(笑 (2001/08/01(Wed) 12:45:15)

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