pale blue dot5

非常灯の灯りをガラス瓶の割れた切り口が受けている。

足元の瓶を蹴り飛ばすと思いの他、大きな音が響いて慌てた。ややあって辺りの非常用脱出ポッドを見渡す。宇宙船の内部ではいつも何かしらブザ−が鳴っている。そのなかでいつも注意していなければならないのは生命維持装置のブザ−音だ。ポ−ン、ポ−ンと5分ごとに静かに柔らかく響くその音が絶えないかぎり生きていられる。もちろん丸みを帯びたポッドからも聞こえてくる。両手に余る半球状のポッドを抱きかかえるようにして耳をそばだてる。ポ−ン、ポ−ン、ポ−ン、ポ−ン。そのうちに音が心音とだぶってくる。ドク、ドク、ドク、ドク。

隣のコンテナからなんの声も聞こえ無くなってから一週間になる。確か四人ほどいたはずだが一人減り、二人減り、カップルが最後に残った。僕は眠れなくなって反対側の壁を向いて寝るようになった。それが一週間前にあお向けで寝ているのに気がつくと隣のコンテナのカップルはいなくなっていた。

目が覚めて作業に行く。ポイントの残量を計算して食事をする。作業場の連中と馬鹿話をする。寝る前、脱出ポッドを抱く。そして戦闘中は宇宙服で外壁部の破損状況を確認する。破損したブロックの隔壁を閉じ緊急用の高濃度酸素に窒素を混入して安定させる。一度、安定化するまえに小規模爆発を起こしてしまったことがある。破壊された隔壁の影に火種が残っているのが見えなかったんだ。純粋酸素に辿りついた火種が爆発的に膨れあがる。僕の宇宙服を火が取り巻いて視界が遮られる。僕は床を転げまわりながら気がつく、ちっとも熱くないや。

ひんやりとしたポッドに両手を回して頬をつけてみる。熱っぽい額をこすりつけるようにするとポッドの耐圧ガラスにべったりと後がついた。なんとなく不機嫌になった僕は初めて不安になった。「こんな状況がいつまでも続くわけ無いだろ…」数日後、尾瀬イクミが脱出ポッドのある区画を破壊して僕はまた壁を向いて寝るようになった。

看護課の彼女と会うたびにキスしていた。この間ふいに彼女の服が汗臭いのに気がついた僕は強引に脱がしてしまう。下着姿の彼女をその時、初めて抱いたんだ。彼女は「初めてなの?」と僕に聞く。ドク、ドク、ドク、彼女の腕の中で小さくなって心臓の鼓動を確かめている。彼女の匂いにつつまれて何もわからないけど…どうせいつも鉄と油と腐臭で頭が痛いんだ。

君は何を考えているの?
抱かれるたびにどうしようも無くてさ、嫌になっちゃうよ。







え−、風邪で死にかけの人間の書いてることなんで。^^;


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鳥乃 > 「灯りをガラス瓶の……受けている」の表現に何となく感心させられます…。 (2000/07/22(Sat) 01:48:17)
すぴんねっと > ほろさんてば、ふ・け・つ☆(爆) まあ冗談はともかく(笑)、相変わらず繊細な文章ですね。毎回言ってますけど、心底こういう文章が書きたいです。 (2000/07/22(Sat) 02:49:09)
グウ > 風邪ついでに彼女もゲットすべし(超大爆) (2000/07/22(Sat) 03:29:13)
ゆうきゃん > 夏ですからねぇ(爆)>グウさん (2000/07/22(Sat) 04:32:03)
神無 > 一次航海の時の話ですか…つくづくあの時にリヴァイアスにのりたくないと思いますね。 (2000/07/22(Sat) 04:50:21)
ま〜き〜(あおい擁護衆&綾会) > こういうカップルは多いんじゃないかと。 (2000/07/22(Sat) 07:57:54)
ひじり > ま、やらしいわぁ♪(核爆) 暑いからってこんなにお熱い文章をお書きになるとはほろほろさんも元気ですね♪ (2000/07/22(Sat) 20:31:33)
ほろほろ > (ちょっと熱が下がった)…なんでこんなの書いたんだろ?(汗)鳥乃さん>前から使いたくて狙ってた表現なんで。(^^) すぴんねっとさん> 別に私のことじゃないって。^^; グウさん>大きなお世話じゃ。(爆) 神無さん>嫌になっちゃいますよね、一次は。 ま〜き〜さん>なし崩し的なカップリングは多いでしょうね。 ひじりさん>だから私じゃないって。私は今週ずっと寝込んでましたです、はい。^^; (2000/07/22(Sat) 23:35:13)
ほろほろ > ゆうきゃんさん>夏だからって何も無いですよ。^^;(力無い笑い (2000/07/23(Sun) 01:36:35)

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