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愉快な真面目。 「レティスちゃん、こんなに言っても分かってくれないの?」 「ええ〜い、離さんか、この変態め!」 <ゲシッ> 「まったく、冗談じゃないわよ。今日こそは、親子の縁切ってやるんだから。」 「キュ〜〜〜〜」 私の名前はレティシャ。レティシャ・エステル・オーウェン・スピンネット。何の因果か「あの」スピンネットの娘に生まれてきてしまった。オギャーと生まれたその日から、不幸を背負って立つことを運命付けられた哀れな女の子。それが私・・・。 そりゃ、私を誕生させてくれたことには感謝してるわ。専ら、それは母さんの仕事だけどね。だからって、あれはないんじゃない?何かにつけて「レティシャ、レティシャ」って。気持ち悪いったらありゃしない。挙句、母さん以外の女性にウツツを抜かして。 「まったく冗談じゃないわよ。」 ここ最近、一日三回はこの台詞が飛び出る。全てはあの父親のせいなのだけれど。 「よく母さんは我慢してるわよね。私だったら・・・。」 離婚してる。考えるけど、言葉には出せない。人間は、そんな簡単に結婚したり、離婚したりできるものじゃない。そうリーガルおじさんが言ってた。あの人は弁護士だから、そういうのを沢山見知ってる。すごく重みのある言葉だったと思う。 「だからって納得できるはず無いじゃない。」 私の、ひいては母さんの幸せのため、何が何でもあいつから離れなきゃ。母さんはきっと渋るだろうけど、説得する。ううん、説得してみせる。 即断即決。私は考えをまとめて、ある場所へと足を向けた。取るべき手段はただ一つ。法律の力に頼るのみ! 「あ、レティスちゃ〜ん。」 いざ、行かん。私を自由へと導いてくれる場所へ!って意気込んでた時、私を呼ぶ声が背後からした。何よ、私は忙しいの。頼むから、私を行かせなさいよ。って思ったけど、聞き覚えのある声だったから、仕方なく振り返る。折角、声を掛けてくれたのに無視しちゃうのも、悪いもんね。 「こんにちわ、レティスちゃん。」 「こんにちわ、咲夜。」 私に声を掛けてきたのは咲夜・ゲゼッツ。私を助けてくれるであろうリーガルおじさんの一人娘。フタバおばさんにそっくりな女の子で、私の友達でもある。トレードマークのライトブルーのリボンは、おばさんの趣味らしい。外見はおばさん似。ところが、中身はおじさん似。苦労人と言えばいいのかしら。真面目で、かわいいんだけどね、生まれながらの苦労症・・・。親子そろって「苦情処理係」やってるようなものなのよね、簡単に言っちゃうと。 「レティスちゃん、どこ行くの?この前オープンした喫茶店?それともグイーンレース?」 相手が咲夜じゃなかったら、薫さん直伝の突きをお見舞いしてるところだ。 「あのねぇ、それじゃ私が遊んでばかりいるみたいじゃない。」 「アハハ、そんなつもりじゃないよ。じゃあ、薫さんの所?」 「違うってば。そういうあなたこそ、どこ行くの?」 「パパのオフィス。お弁当届けなきゃいけないの。」 「ちょうど良かった。私もおじさんの所へ行く所だったの、一緒に行きましょ!」 ああ、私、なんて運がいいのかな。本当はちょっと恐かったのよね、一人で行くの。だって、子供一人でいきなり「私、親子の縁切りたいんです!」なんて言えないもの。きっと神様も、あの父親から離れなさいって言ってるに違いないわ。 私はそう思い込みながら、咲夜と一緒にオフィスへと向かった。神様の保証つきなら絶対に大丈夫だ。そう思うと心の中が、急に軽くなるのを感じた。やっぱり、持つべきものは友なのよ。 「レティスちゃん、さっきから何ブツブツ言ってるの?」 リーガルおじさんのオフィスは、相変わらず凄い。沢山の本が、壁に添えつけられている本棚にビッシリと揃えられていて、部屋を一段と狭くしている。このペーパーレスの時代に、紙製の本とは・・・。一番古いのは今から200年くらい前のものって聞いたことがある。ワイン並の歴史があるわけだ。 「おや、咲夜。お弁当持ってきてくれたの?」 リーガルおじさんは嬉しそうだった。うちのお父さんも、私を見る目はこんな感じなのかな。いや、違う。何かこう・・・本能的というかそんな感じだ、あいつは。 にしても、苦労してる割にはおじさんは若く見える。五年前と大して変わらない。昔から苦労しつづけている人は、意外と老けないのかもしれない。じゃあ、私も老けないかも・・・。 「やあ、今日はレティスちゃんも一緒か。」 私が勝手な想像をしている合間に、リーガルおじさんが声を掛けてきた。なかなか抜け目の無い人だ。ま、そうじゃなきゃ弁護士なんてできないけど。 「こんにちは、おじさん。今日はお願いがあってきたの。」 「またお父さんの件かい?」 笑っているけど、リーガルおじさんの気配は異なっていた。なんて言えばいいのかな、全てを見透かすことのできる人。 ごまかしは利かない。どうせ言わねばならないのだし、思い切って言っちゃえ! 「はい。父さんと親子の縁を切りたいんです。」 「おいおい、こりゃまた唐突だ。」 さすがのおじさんも呆れてる。当然だろう。親子の縁を切りたいなんて、普通言わないもん。でも、リーガルおじさんを呆れさせることができて、ちょっと私は鼻高々だった。 「咲夜、先に帰ってなさい。」 端末のスイッチを切っておじさんがそう言った。 「ええ〜。なんでぇ?」 咲夜も興味があったのだろう。そりゃそうだ。他人にとっては非常に面白い話題に違いないのだ。でも私は真剣だ。馬鹿と言われようとも構わない。 「咲夜、咲夜。守秘義務があるんだよ。クライアントの秘密は、例え、家族だって話しちゃいけないんだ。」 リーガルおじさんは、ほとんど怒らない。咲夜も怒られた事が無い。「咲夜、咲夜」って二回名前を呼ぶだけだって聞いている。最も、この人を本気で怒らせたら、無実の罪で電気椅子に座らされるに違いない。 「ま、おもしろい話題だったら、家に帰ってから教えてあげるよ。」 おいおい、さっきと全然違うじゃない。思わず心の中でずっこける。 「それじゃ、レティスちゃん、バイバイ。」 咲夜はそう言って出て行った。たぶん、いや100%おじさんから話を聞くに違いない。 「さて、じゃあ話を聞きましょうか。」 おじさんは私にソファの椅子を勧めてくれた。表情は笑ってたけど、目は笑ってない。こんなのに負けちゃ駄目だ。私の、いや母さんの自由のためにがんばらなくちゃ。自分自身に声援を送りながら、私は話を切り出した。 「実は・・・。」 (つづく) 何か書きやすかった。下書きなし。おお、デジタルじゃないですか。たぶん次回もすぐ書けるでしょう。スピ会の後あたりに。 ちなみにオチはもう決まっています。レティス嬢は素直じゃない女の子なんでしょう、父親に似て(爆) -------------------------------------------------------------------------------- ゆうきゃん > S氏へ。こんな感じでいかがでしょう?ご注文はメールにて承りますです。 (2000/08/19(Sat) 06:53:20) ま〜き〜(あおい擁護衆&綾会) > リーガルさんの大人な発言求む。同士よ! (2000/08/19(Sat) 11:53:16) ぐちゃ > リーガルさんも見事な親バカで (2000/08/19(Sat) 12:01:30) 鳥乃 > う〜ん、親ばかだね〜(笑)…にしても咲夜嬢は性格父親似か・・・これまた、苦労が絶え無さそうな…。 (2000/08/19(Sat) 15:20:07) すぴんねっと > うお、早速♪ ありがとうございます、大満足です! んでは、後でメールさせて頂きますね。しかし「咲夜、咲夜」って・・・まるでヤン提督みたい(笑) (2000/08/19(Sat) 15:37:41) ほろほろ > ネバダ州リノで簡単に手続きが…って離婚のほ−か。^^; (2000/08/19(Sat) 23:45:21) ゆうきゃん > レス返しでござい。 ま〜き〜さん>おう、がんばります。大人なところを見せてあげよう! ぐちゃさん>娘はかわいいっていいますからね。いずれお嫁に行っちゃうから一層可愛いのかも。 鳥乃さん>苦労ばかりしています。かわいそうな女の子です。弁護士だけにはならないほうがいいかもしれません。 すぴんねっとさん>パクリました(笑)なるべくご要望は反映させますので。 ほろほろ様>クリスチャンだった場合大変です。教会の手続きとかも取らなきゃいけないし。離婚はねぇ・・・。 (2000/08/20(Sun) 04:39:14) |